非漁民等は、人力以外のゴム等でやすを発射して魚を捕獲する漁は、広島県漁業調整規則第48条
禁止されています。
(捕まると、鉄砲は獲物の魚と共に押収され、写真を撮られ罰金がきたそうです。前科も付くそうです)
撒き餌(特に赤土は使用しない事)・集魚灯・潜水器・水中鉄砲・刺し網・はえなわ・かごも利用できません。
手釣り、竿釣りでもイカ油の使用は禁止されています。碇止め
(いかりどめ)した船釣りも禁止されています。
近くで漁をしている場合、鉄砲の銛の方向には特に注意の事。間違って、銛が飛び出す事もあります。
空中で銛が飛び出すと、銛に結んだロープは簡単に切れ、100mは飛ぶそうです。
道具類 
  広島では魚の縄張り意識を利用し、カキ筏上から紐
(ひも)ないしステンレス棒の先端に錘(おもり)
埋め込んだ木製の囮
(おとり)の魚を取り付けて降ろし、水眼で観察し、囮の魚に攻撃に近づいた
魚を、ロープの付いた銛
(もり)(矢)を発射し、魚を捕獲する鉄砲漁も行われています。
銛は長さ70cmのステンレス棒に取り付けられ、長さ30cmで櫛状
(くしじょう)の3cmピッチの6本刃です。
刃の先端より3cm上部にかえしが有り、かえしの部分は可動式で魚から銛を抜く時、閉じて抜きます。
囮の魚には、一定の深さより沈まないようにフロートを付け、手を離しても沈まない工夫をしています。
鉄砲も手が離れると沈むので、ロープで手に結んで使用します。
水温の低い時期には魚は底にいるので、長い竹で延ばしたショック銃で狙います。
風が吹くと、腕を支点に竿が倒されるので腕がにがり
ズキンズキン痛くなる)ます。
 (引き金を直接引かず、竹に付けた細工部分を押すと、引き金が引かれる仕組み)
  囮の魚 
筏で釣っていると、ねき(近く)の筏での鉄砲漁が観察できます。
鉄砲漁の魚を狙う姿勢
水眼を海面に接するので、こんな姿勢で魚を狙います。
頭に血が下がるので、ポックリ逝く人もいるそうです。
魚の行動 
  (おとり)の魚を降ろすと、先ず斥候(せっこう)チヌ(黒鯛)が一直線に近づいて来ます。
攻撃はしなく、囮の周囲を半周回って観察すると、元の場所に戻って行きます。
暫く
(しばらく)すると、5月〜9月迄の水温の高い時期は底から魚の群が湧き上がり、囮の
2〜3m付近を回りながら少しずつ近づいて、囮に対し攻撃の機会をうかがいます。
群れで湧き上がる現象から、魚同士意思伝達手段が有るのでしょうか。

水温の低くなる10月からは囮を無視するか、かえって警戒し動きが速くなるので使用しません。
大抵、
囮に対する攻撃は、潮下から行われます。
囮の魚は、潮流によって頭を潮上に向けているので、尾を攻撃して来ます。
その際でも、大物は群れの中心にいるので狙いが難しく、大物を狙うため少し銃を動かすと
その振動で小魚がちゃりこく
(すばしこく)逃げ、それで大型魚も逃げます。
水眼で眺めていると、スズキがゆっくりと筏の底を行ったり来たりしていても、ハゲが海面近くの
筏の端でチョロチョロと、つばえて
(じゃれて)いると、底からとばしゃ〜げて(超特急)近づき、
追い払いますが、自分の縄張りの筏を越えて迄は追いません。

じゃれる事をさくれるとも言います。犬がおっぱち・おんばち(尻尾)を振り、さくれます。
  ハゲ(カワハギ)は、おとりの魚以外に光る銛に興味を示し、ちっちゃな口で銛をかまい(つつく・
相手をする)
来ます。
至近距離で銛を発射すると、ハゲの体がバラバラになるので発射しません。
  ハゲを捕る方法は、矢で突き刺す方法以外に、生きたまま捕獲する方法があります。
あなたは、網・引っ掛け・釣り上げる以外に、ハゲを生きたまま捕獲する方法を思いつきますか。?
その方法は、二股の矢は狙いが少し外れても、捕獲し易い様に矢の途中から広がり、かつ魚体に
傷を付けないために、先端が外側に丸く曲がっています。
その矢でハゲをはせる
(挟むように狙い、矢を発射しハゲをはせて(挟み捕獲します。
ハゲは魚体がザラザラしているので捕獲できますが、他の魚では、逃げられます。
別の方法は、傘を逆さまにした形状の、漁具の柄の部分にクラゲを括りつけ、ハゲがクラゲを
食べに寄った所を見計らって、漁具を急速に引き上げて捕る方法を聞いた事があります。
ハゲは魚体が平たいので、水流に押しつけられ、網に横になり逃げられないそうです。

 
スズキは満ち上がりばなの海水の濁っている時、あさって(見当外れ)の方からひょこっと(突然)
現れます。                            
ひょこっとはひょっくり・ひょっくらとも言います。
 
ハマチは底かと思えば上へと、せわしく動き回るので、近づいた瞬間に撃ちます。
ハマチは、いけすに入れても狭くて動き回れないためか、死んでしまう事が多いです。

ハマチ以外の魚は、銛で突かれても平気で泳いでいます。
は自分の足を食べるし、活け造りの魚が泳ぐ事から、痛みを感じる神経が無いのでしょうか。?

 
鉄砲で狙う場所は、通常魚の動きを止める為と、商品価値を保つ為、尾付近を狙います。
頭付近だと、当たった瞬間にカキづるの中に入り、グルグル回り取り込めなくなります。
実戦では、銛の発射の瞬間の振動を感じて魚は逃げるので、狙う場所は感で定めます。
但し、魚が真下にいる場合、狙う面積が少なくなり、おっぱち(尾)だと銛が刺さらず
櫛の部分に挟まり
(はさまり)魚が逃げる事が多いので、頭付近を狙います。
スズキ、ハマチの場合は、刺さった銛を引き抜いて逃げるので、皮が厚く銛の抜けにくい
頭付近を狙います。

撃たれた魚はカキづるに逃げるので、命中すると同時に銛に結んだロープを引き上げます。
カキづるにグルグル巻きになった場合も、なるべく操作のし易い上部に位置さすためです。
巻きを解く方法は、銃を筏の下の針金の周りを回して解きます。
それでも巻き付きを解くのが困難な場合は、カキづるを引き上げる方法しかありません。
鉄砲漁の対象魚 
  チヌ、カワハギ、スズキ、セイゴ、ハマチ、ヤズ、石鯛です。
ハマチは阿多田島の筏で、9月10月にとれます。 
 
 チヌ カワハギ  スズキ   ハマチ  石鯛  アイゴ
興味深く読まれた事と思います。以上は、鉄砲漁師に聞き、説明しています。
頂いた魚は、銛で傷が付くので、アイゴ(バリ)は臭くて食べられませんでした。
臭いのでアイゴの皮を剥ぎ(はぎ)、三枚におろして焼き魚にしましたが、
臭みも飛び、美味しい期待でガブリと噛み、思わず吐き出しました。(p_q)

くっくっさ〜
・・納豆食べる人がいるから、臭いのが美味いと言う人もいるかも知れません。^_^
専業漁師も筏の周辺に集まり、刺し網とか蛸壺を仕掛けたり、11月からはナマコ漁が始まり、
それに絡まり、投げ釣りの仕掛けを、根こそぎ取られる事があります。

ヽ(`Д´)ノ
頭にきますが、我慢、我慢します。
  殻付きのカキか、カキの剥き身
(むきみ)を利用して釣広島が元祖のかぶせ釣りも有ります。
自然な状態の餌ですので、魚釣りに抜群の効果が有り、特にチヌ・ポン(アイナメの大型)に威力を発揮します。
想像力と釣りに興味が有り、かぶせ釣りの知識の無い方は、絶対に読むべきです。
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かぶせ釣り説明 

直線上に配置 
 
カキ筏の鉄砲漁