初めての経験では、4月28日に湾内の水深10mの場所を選びました。 (現在は水深25mでも大丈夫ですが、刺し餌が着底するまでに神経をすり減らしています) まずコンパネを潮が流れ去る方側のカキ筏の端に敷きました。 あまり沈んだカキ筏の場合は、船の波でコンパネが突き上げられるので 避けた方が無難です。 私のかぶせ釣りのページを思い浮かべ、刺し餌に向かないカキを潰し、 筏の前方に固めて落としました。殻をグシュッと潰した程度で良いと思います。 これは撒き餌になります。粗めの砂に混ぜる場合もあります。 (漁師さんは、網代に到着すると瀬戸貝とかを2kg程度潰し、玉網に入れ海面上に降ろし、 |
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ザバッと言う感じで撒いていました。それを見て、最初に十分撒き餌をするようにしました。) 撒き餌で魚を狂った状態にする事と、最初の一匹を逃がさない事が 大漁のコツだそうです。(竿出しを焦らず、一時間は撒き餌をするそうです。) カキ潰しが無い場合は金槌で割る方法が一般的ですが、工夫して道具を 考案する事も釣りの楽しみです。 実際使用して感じた事は、カキを置く受け皿の部分が長くないと取っ手を 押さえると回りました。又、取っ手が短いと押してもカキが砕けませんでした。 だから、本体を左足で踏んで右手で取っ手を強く押します。 |
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刺し餌用にカキの丸みのある部分を下にして、平たい部分のカキの根本から ハリを刺せる程度に、身が取り出せる部分を、カキ打ちで割ります。 大きいカキだと1/3程度ですが、小さいと1/2程度の部分になります。 平たい部分の蓋を全部取り除き、わたの部分にハリを刺してどこを食べるか 実験しましたら、ハリのある柔らかいわたの部分を最初に食べました。 ハリが刺しにくいのに、無理して小さく割る必要はありません。 平たい部分を割る理由は、カキを水中に落とした場合、丸くなっている部分が 水の抵抗が少ないので下になるからだと思います。 |
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金槌をカキ打ちに加工しました。 反対側はカキを叩き潰せます。 ゴツンではなくカッカッと打てる 軽いのが打ち易いです。 |
刺し餌用カキは、殻長8cm程度の厚みのあるのが良いと思います。 魚が逃げるので、なるべく振動が筏に伝わらない方法で割って下さい。 漁師は掌でカキを包み、カキ打ちで割ります。(チヌは嗅覚と聴覚が発達しています) 道○井さんは、音には特に注意しています。歩きもしないし声も発しないと言います。 それは、大きいチヌほど音に敏感なからです。でも、ビールが好きな道○井さんは、 生理現象では立ち上がり、堂々とやっています。(*^m^*) 30年近く、かぶせ釣り経験の釣り人の、音に対する説明は異なります。 (撒き餌に狂った状態になれば、そうでしょうね) |
カキ打ちを打ち込む度に、割れた隙間から液が飛び出してきます。 なるべくカキを体から遠ざけて打っていますが、服と顔に液は飛んできます。 注意する事は、打ち込みの勢い余って、ワタの部分に傷を付けない事です。 ハリを埋め込んだ身が、少しの抵抗で傷の部分から割れ、ハリが外れます。 私の場合は、桜の咲く頃からは一度食いだすと連続して釣れるので、 割れ目を入れたカキを、最初から5個以上用意しておきます。 私の場合、桜の咲く時期以後はハリスは2号の儘ですが、ミチイトは 少しの傷でチヌにぶち切られるので3号にします。 収穫された儘のカキの殻はカミソリの刃の様に鋭いので、カキを掴む左手は 手袋を使用した方が安全です。 |
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開いた穴からカキ打ちで身を持ち上げて、裏側に身を抱くようにハリを左右に 埋め込み、身を殻の中に戻します。厚みのあるカキが、絹豆腐のように柔らかい ワタの部分が大きいので、ハリを埋め込みやすいです。 ワタの色は白色のが食いが良いです。希に、水っぽい透けたワタがあります。 埋め込んだハリ先が出る場合もありますが、ハリ先を出して水深20mで実験した 結果は、チヌもアイナメも、ハリ先を怖れて食べないと言う事はありませんでした。 チヌは音に敏感で嗅覚が発達していますが、目は色盲だとされています。 しかも海底は、光の届きにくい世界です。神経質に考えなくても良いと思います。 ハリ先を隠していても、潮流でカキが引かれ、ハリ先が出ている可能性もあります。 ハリス2号25cmでハリは丸せいご15号とかチヌバリ5号の二本バリを用いました。 ハリス1.7号か2号でチヌバリの4号か5号が一般的ですが、私はチヌバリ 5号が使い易いです。身にハリを埋め込む時、4号だと曲がりが小さいので身に 深く刺し難く、無理をすると身が切れたり割れました。 |
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ミチイトを引き出しカキを水面に落とした時、ミチイトが余裕の有る状態にし、刺し餌を海底に送り届けます。 そうしないと、刺し餌を水面に落とした時点で、ミチイトに引っ張られカキの身が切れ、ハリが外れます。 刺し餌と共に、同じ大きさ程度に潰した撒き餌を撒くと、同じ場所に落ち、効果的です。 刺し餌が海底に到着した事は、曲がっていた竿先が戻り、ミチイトが出なくなるので分かります。 そこでベイルを戻します。注意することは、ミチイトがラインガイドに掛かっている事を確認して下さい。 掛かってない場合は、当たりに合わせてもベイルが起きて、ミチイトが出てハリが魚の口に刺さりません。 食いが立った場合の対処方法は、後ほど述べています。 |
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竿先をそ〜と持ち上げ、竿先の曲がりで餌が付いている事を確認します。 その状態で魚が吸い込むのを竿先を見て待ちます。 カキ筏は、船が通った時など大きく波で揺れるので、揺れを吸収できる 柔らかさの竿を用いるか、カキ筏の揺れに合わせ、手で竿先を調整します。 ハリがカキの身を引っ張るので、海底では身が引き出された状態になります。 時々、撒き餌を追加します。 二本竿で釣っている人は、竿先への注意が疎かになり、釣れないと思います。 それ程、繊細な釣りです。時々、餌を海底からゆっくり持ち上げ下ろします。 魚を誘う動作でもあります。10分も当たりが無い場合は、餌を取り替えます。 新しい餌を、別の場所に降ろすと言う意味もあります。 |
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竿先に変化が現れたら、大きく合わせます。竿先の変化は三秒間位です。 (チヌの場合、明確な当たりでは無く、食い上げる感じのフワフ〜ワと動く感じです。 揺らぎと表現します。水温が上がると、クイッとかピンの当たりも経験します。) 合わせないと餌は取られ、竿先は上がります。大物程、小さい当たりです。 これは、チヌは一度餌を吸い込んで、ハリと共に吐き出すからだと思います。 チヌが餌を吐き出すとカキの身は柔らかいのでハリは外れます。 |
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実際は更に滑らかな動きです。 | |
当たりが無いので、撒き餌用にカキを潰していると、いきなり竿先が動き、 竿を掴む体勢で無いので、「え〜・・今の嘘じゃろ〜( ̄□ ̄|||)」も経験します。 そう言う経験で、竿先を見ながら竿を掴める体勢で、カキを潰します。 釣れると、立ち上がり竿を持った腕を伸ばし、魚の引きに体全体で対処します。 魚はカキづるに入り込もうと竿先をガクガクと曲げるので、胸は高鳴ります。 釣れた魚を取り込むと、少量の撒き餌をし、(ベテランは、海砂も同時に 撒いています。)ハリ先とハリスのチェックも行います。 |
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(海砂は撒き餌に混ぜる場合と、海砂のみで撒く場合があります。ベテランに砂の効用を尋ねました。 撒き餌と共に撒くと、魚に目立つそうです。砂のみ撒くとだんだん釣れなくなります。 餌盗りの多い時、餌を砂で隠すのに用います。) チェックを怠ると、ハリ掛かりが浅く途中で逃がしたり、ハリス切れで逃がします。 食いがたち、餌が海底に着くと同時に食べる場合は、スピニングリールの場合、確実に餌を取られました。 餌を盗った魚は続いて食べに来ます。 プアーな私の解決方法は、竿の上下動の回数を数えて、ベイルを起こしたままスプールのミチイトを押さえ、 餌が沈む速度で竿先を下げます。着底しない場合は、ミチイトを出しながら竿先を上げ、同様の操作をします。 (10m毎に色分けし、1m毎に線を入れたミチイトを使用すれば、着底の前に心構えが出来ますが^_^;) 刺し餌が着底すると、一瞬竿先が戻ります。そこで、竿先に力をかけながらベイルを戻します。 この時、魚が餌を吸い込んでいる事が多いので、竿先の動きに特に注意します。 リールのハンドルを回し、竿先を自分の好みの位置にします。 希に、大型真鯛が釣れる場合が有るので、ドラッグは調節しておくべきです。 ドラッグを調節して(弛めすぎない事)無いと、一気にハリスを切られます。 刺し餌を降ろす途中に、筏に付いているチヌが食べた場合、ミチイトが沈まなくなるか、急にシュルッと 出るので直ちに合わせます。合わせが遅れると筏に持ち込みます。 潮変わりになり、潮が筏に入り込む前に、コンパネを反対側に移動します。 空筏の場合は、釣れた魚が逃げ込むカキが無いので、移動しなくても釣れます。 |
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実戦で一番いたしい(難しい)のは、明確に出ない当たりに、合わせると 餌が外れるのに、大きく合わせなければ絶対と言う程、釣れない事です。 潮が流れ過ぎ、撒き餌が流れ去ったり、二枚潮でミチイトがS字に弛み、 刺し餌の位置と逆に撒き餌が流れ錯覚したり、釣れても底潮が筏方向に 流れているので、魚はカキづるに入り込みます。 私の二枚潮の対処方法は、餌を筏から離して投入します。 魚が筏に入り込もうとする場合は、筏を蹴って音を発し強引に引くと、 筏から出る場合もあります。竿を長いのに代える方法もあります。 潮が一方向に流れず回転し、筏が不規則に動き、ミチイトがカキに 掛かる事も経験します。 |
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筏の先端にコンパネを敷くので、沈んでいる筏の場合は安全を考えたら、 敷かない方が無難です。ボートの波で、2m位コンパネ毎飛ばされて、 コンパネ上の荷物も海に落ちた経験があります。 乗っ込み時期の、チヌが海面近くに浮き上がっている場合も、 非常に釣れ難いです。雌を追って群れになっているので、カキの身を刺し餌に、 浮き釣りで釣れるのではと思いますが、ひたすら雌を追っかけ、 餌には見向きもしないでしょうか? カキを潰した液と殻の粉が飛び散っているので、釣りの終了後、 海水でコンパネとカキ潰しと筏を洗って下さい。 カキを潰した液は臭いが強く、暖かくなると、海上でも小蠅が液を ねぶりに(舐めに)寄って来ます。 かぶせ釣りは同じ姿勢で竿先を見つめるので、神経をすり減らし、 腰も痛くなります。時々は立ち上がって、腰を動かす事も必要です。 |
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元祖かぶせ釣りは当たりをゴム管とかミチイトのみで取り、釣れると手で引き上げていました。 釣りは、この方法で無ければ釣れないと言う事は無いと考えています。 魚はどん欲です。餌があれば食いつきますが、基本の考え方です。 高価な道具を購入するよりも、自分で工夫して釣る事も必要と思います。 筏のチヌ竿を購入するのでしたら、安価な竿で十分です。 私は平成14年に税込3千円で購入しました。 既存の竿で苦労して釣っていたなら、魚の当たりが良く分かるので、目から鱗が剥げ落ちる 感じがするでしょう。 投げ釣りの橋本さんの筏のチヌ竿の感想は、「どしたんなら、こりゃ〜魚が釣れたら折れるで〜」 ほんま、ブチ細〜おて、柔お〜て、ガイド穴は見えんし、ミチイトを通す時、竿先がビリビリ震えます。 かぶせ釣りを表現するのに、牡蠣採り3年コブ8年と言う方もいますが、かぶせ釣りの知識を得た 方ならば、かぶせ釣り簡単、釣果に感激と表現します。 しかし現実は厳しく、竿先で魚の気配を感じる勘の鋭いアングラーでしか、かぶせ釣りでは釣れません。 カキ筏からのカキかぶせ釣りは、水深も8m〜25mとあるし、水深と流れの速さでカキの大小と 重さを選択しなければいけないし、筏は動くし、揺れるし、カキづるが下がっていて、大型の魚は 潮流に逆らってでもカキづるに入り込もうとします。釣れなくても筏上でしか移動できません。 当たりも無く、ひんなって(カッカして)がやかいても(色々工夫しても・手間をかけても)釣れないと、 お魚と戦う以外に、ヤケ〜くる(ヤケを起こす・自暴自棄になる)自分自身との戦いの場でもあります。 最後に、4月中旬位からチヌが筏の周囲に浮いている場合は釣れ難いので、チヌが浮いていない 場所を選ぶ事と、湾の奥とか岸の近くで、案外、大漁になる事も知識に入れて下さい。 両隣の筏で釣る場合、上手下手がはっきり現れます。腕に自信の無い方は離れて釣りましょう。 磯焼けの原因になったり、カキの殻の中に入り込む赤土と泥は、絶対に撒かないで下さい。 |
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独断と偏見の私の広島弁講座 広島弁ではべろ(舌)で舐める事をねぶると、言います。 口と舌を使って吸い込む事(すする)を、すばぶると言います。すばぶるは、吸うとしゃぶるの合成でしょうか。 赤ちゃんが母親の乳首をチュバ・チュバとか、あら煮の骨の周囲に付いた柔らかい皮とか身、目玉の周りを チュルッとすばぶります。すばぶるとしゃぶるは、私は明確に区別して喋ります。 |
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カキ筏釣り入門 | |