エピソード | ||||
(会話は広島の方言です) | ||||
はい、それまでよ | ||||
私には二人の息子がいます。幼い頃から魚釣りに 興味を持つよう育てました。 危険ですが、ゴムボートで釣りに出かけた事も有ります。 作文には「パパとつりにいきました。 とんとかいてありました」と、書いていました。 |
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とんって何かな?子供は何を見ていたのかな? 海水浴に行けば池を造り、釣った魚を遊び相手にさせました。 「パ〜パお魚いなくなったった〜」 ギザミを遊び相手に、言ってました。 その結果、長男はカキ筏でチヌが釣れるまでになりました。 |
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二男は、ワームのルアー釣りでメバルを釣って来た事もあります。 長男に新しいカーボンロッドを持たせ筏釣りをさせた時、根掛かりし筏の上を 竿を引いてラインを切っていた時、竹を踏み外し筏の上に倒れてしまいました。 長男が起きあがり、竿先を持って言いました。「(T_T)折れた〜」 二男の場合は、初めて筏釣りに連れて行った時、「うんち、どこでするん」 と尋ねられ、「どこででも」・・これで私の夢は消えました。 |
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負け惜しみ | ||||
筏から落ちたS岩さん。最初は冷たいと言ってましたが、 二度目は「濡れとるけえ、冷とお無い」と言い、 「二度有る事は三度有る」と言うと、 「もう、落ちゃあせんよう」と、言いましたが又、落ちました。 「あんたと乗るとまんが悪い。前もリールと竿を落とした」と、 私のせいにしました。 (貴方と乗ると運が悪い。強調する場合は「まん糞が悪い」辞書では、 まんは間と書きます。広島弁では、運が良い場合はふがええ、 運が悪い場合はふがわりいと言います。) |
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ビギナーズラック | ||||
ビギナーの屋代島出身のT・川元君。私と釣行しチヌ37cmをゲット。 寮の仲間にほめられ、そのチヌで寮の仲間と小料理屋で乾杯しました。 二度目の釣行は、会社の釣り仲間にチヌの釣り方を教える立場になりましたが、 仲間の2mの舟竿に再びチヌがヒットし、玉網を持参してなくてスカリで 包んでチヌをゲットし、再び男を上げました。 |
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うっかり | ||||
12月に、波止でカレイ釣りをしていたS岩さん。 波止である事を忘れて、竿を持って後づさりし、海に落ちました。 「服の中に水が入り冷たいし、階段を探し必死になって泳いでも進まんし、 死ぬか思うた」と、口を尖らせて言ってました。 島の親切な人が、風呂に入れて服も着替えさせて下さいました。 後日、奥さんと共に、お礼に伺ったそうです。 |
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惚けの始まり | ||||
奥さんの看病のため釣りクラブを辞めた82歳のTさんに、同じく高齢のHさんが、電話で大黒神島筏での 釣りの話しをした所、Tさんは大黒神島筏には行った事はないと言われ、私に電話をして来ました。 「大黒神島の筏に行ったよの〜、Tさんが行ってない言うんじゃ」「TさんもHさんも行きましたよ」 「ほうじゃろ。あ〜えかった。Tさんが大黒神島には行った事は無いと自信をもって話すんで、わしが惚けたんかと思った」 「外に出ないTさんは、他人との接触が無いので惚けたんでしょうね」 筏での投げ釣りは、高齢になると、足腰が弱くなるので、筏上を歩けなくなります。 それでもコンパネを降ろし、そこから移動しないで釣りますが、船頭から危険なのでとストップがかかったらお仕舞いです。 |
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広島弁は、いたしい^_^;(広島弁は難しい) |
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筏に到着し、筏釣り2回目の有Hさんにベテランが言いました。 「ここい、おりんさい。」(ここに、いて下さいを、ここに降りなさいと勘違いしています。) それを聞いて、有Hさんはコンパネも降ろしてない筏に、サッサと降りました。 私は思わず言いました。「危ないけえ、コンパネを降ろして、降り言え〜や。」 するとベテランは、「(`m´#)わしは、ここにおれ言うたんじゃ」 (ここに居て下さいと言ったのです) 広島弁は、いったしい。^_^; (難しいを、強調した言い方) |
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竜宮城に直行 釣果の無かったS岩さん。いにしな(帰りがけに)、活魚販売に 立ち寄り、「家族にばれるので、カワハゲ(カワハギ)にしておけ」 の忠告も聞かず、石鯛一匹6千円を購入し、 |
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「いつまで生きられるか分からんのに、美味しい魚を 食わにゃあのお」と、言いました。 家では、ばればれで「今度は刺身になっとるんを買うてきたら」 と、言われました。 |
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知らぬが仏 | ||||
「うちで釣れる鯛はH本さんのを除いて、全部うちの本虫で釣れちょる。」と、T田船頭。 「鯛は落ち込みに沿って、つがいで餌を探しちょる。餌を見つけるとパックリよう」 と、身振りを交え説明しました。 密かにタイ虫を別の店で購入している私達は、ぐつが悪く(体裁が悪く)思わず顔を 見合わせました。(人と人の付き合い方に反する行いをした場合に、ぐつが悪いと用いると感じます) |
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エイがどっさり | ||||
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泣きっ面に蜂 | ||||
私達の会則にカナコギ(ハオコゼ)賞が有った時、S岩さんは賞を狙って、 爪の間を刺されながらも、釣れたカナコギをクーラーボックスに入れました。 検寸時に一匹差で逆転され「痛い目をしただけじゃ」と、ぼやいていました。 指先の一番敏感な所だから、さぞかし痛かった事でしょう。 棘の部分を切ると白い毒液が相当出ますから。 |
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おこぜが釣れた場合、お腹の皮を摘んでハサミで 背びれの根本を、棘もろとも切り落とします。 こうすると安全です。 |
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相性が悪い | ||||
「大黒神島ではチヌが釣れん。相性が悪い」と、小さいクーラー持参のT本さんが 言いました。「ハリスを長くすれば絶対釣れる」と、私は答えました。 それで釣れましたがハリスのチェックを怠り、目の前で40cm級チヌに 逃げられました。それで、慰めの言葉「釣れても、クーラーに入らんけえ」 |
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慎重派 | ||||
子供用の網を持ったS岩さん。 「メダカでも掬うんか?」と、言われていましたが、 竿上げする度に網を持って移動し、トラハゼでも網で取り込んでいました。 「大して釣れもせんのに、逃がしたら惜しいけえのお」だそうです。 |
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穴子がこわい | ||||
スポーツマンで、四輪駆動車を所有しています80キロ級のS井さん。 穴子が苦手で、釣れるとハリスを持って振り回しています。 「こわいんじゃ〜」・・だけど、捨てることはなく、持ち帰ります。 穴子は食べると美味しいですから。 |
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奥の手 | ||||
行きしな(行きがけに)「ようけ魚を釣ると、女房がグジグジ言うけえ困る」 (沢山、魚を釣ると、女房が愚痴るので困ります)と、S岩さんが言いました。 「しごを手伝わんの」(しごは捌く事です)と、尋ねると、 「面倒くさいけえ、よそへやれえや言うちゃるんじゃ」と、答えました。 今回、S岩さんチヌの大漁で「よそへやれえ言うんじゃろ」と尋ねると、 「ほうよ、ほうよ」と、笑って答えました。 広島弁では、いにしな(帰りがけ)寝しな(寝がけ)起きしな(起きがけ)があります。 |
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悲劇 | ||||
風にクーラーボックスを飛ばされ、餌を失ったH本さん。 さっそく携帯電話で渡船店に連絡しました。 「迎えにきてくれ〜、餌を飛ばされた〜」留守番の奥さん残念そうに言いました。 「お父ちゃんは餌を採りに行っておらん。時間が来るまで待っとりんさい」 H本さん風が強くて筏は揺れて眠るわけにもいかず、「往生たれた」 *往生まいたとも言います。(閉口した。非常に大変だった。)と、ぼやいていました。 クーラーボックスに座って、じっと迎えを待ったそうです。 独断と偏見の私の広島弁講座 大正生まれの能美島出身の男性と話していて、往生たれた事をこうりかたいだと、聞きました。 こうりは、行李(こうり)で、かたいだは、担(かつ)いだです。家庭がもめて、どうにも解決できず 自分から行李に生活道具を詰め、担いで出て行く事から出来た言葉だそうです。 |
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船にロープで結わえ、櫛(くし)の部分で 海底を曳き(ひき)、本虫を採る道具です。 網に本虫が入るのでは無く、櫛の根本部分に本虫が 掛かります。その他、本虫を採る方法は、手堀があります。 |
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欠陥ハリスの使い道 | ||||
H本さん、五号ハリスを三度切られ「安物ハリスはいけん」(安物ハリスは良くない) と、ぼやいていました。 「拾うけえ、捨てんさいや」と言うと、「息子に使わすけえ」と言いました。 (海中を見ていないので想像ですが、エイの大型は尾を曲げて、尾の棘(とげ)の根元で ハリスを切るのではないかと思います。そうだったら、メーカーさんごめんなさい。 私はアジワ島の筏で三回連続切られた経験が有ります。) |
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アヒルの親子 | ||||
マイボート所有の(故)阪口さんと安芸津のカキ筏で釣る事になりました。 人数が多いので、各自ゴムボート持参と言う事になりました。 現地でカキ筏にロープで結び、ゴムボートで釣りましたら、釣れるは釣れるは ウハウハと喜んでいましたら、監視船が現れ、追い払われました。 「筏にロープで結ばんでも、筏周りで釣ったら駄目じゃ〜」 ゴムボート同士をロープで結び、母船に引かれヨタヨタとアヒルの親子の様に 筏から離れました。 (ゴム製のボートだからロープで引くとゴムが伸び、一瞬止まっていて、 急にビヨヨ〜ンと動きます。それが繋がっていると各ボートは勝手に動き、 面白い動きになります。) |
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腕の差か? | ||||
弟が、私と釣りに行ったら、いつも釣って来ないと妻が愚痴(ぐち)を こぼしたと話しました。 最近は釣らせて無いので、反論できませんでした。 そこで、釣らせようと前回私が大釣りした筏を譲り、私は隣の筏で釣りました。 しかし朝から釣れるのは私ばかりで「いっこんも釣れん」と、不満を言いました。 (一匹も釣れません) 納竿間際に、やっと弟にチヌが釣れると同時に、私には真鯛が釣れました。 弟の結論は「釣れたと言う場所で釣るもんじゃない」 「川本の親父が、ここでよう釣れたと言う場所で釣っても、いつも釣れん」 ・・大釣りした場所は、釣り荒らされた場所になっているのでしょうか。 地御前の川本の親父さん、お互い反省しましょう。 (川本さんは正直者で、尋ねると「いっそ、釣れん」(全然釣れない)と正直に言ってました。) 「いっこも釣れん」「ひとつも釣れん」「ちゅうに釣れん」「よいよ釣れん」とも言います。 この潮でよいよ(全く)釣れんなら、よいよの(本当の・全くの)下手じゃ。 釣り用語では全然釣れない事はぼうずと言います。 頭に毛が無いを、食い気がないの気に、こじつけているそうです。 |
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どうにかならんかいのお | ||||
雨降りに雨具のズボンが、かごむ(屈む)(かがむ)度、お尻の方が下がるのには 往生たれます。(閉口します) お尻がひやい(冷たい)ので確認すると、ズボンがほうくり出て(ガバッと出て) びしょ濡れ(ずぶ濡れ・びっしゃことも言います)になっています。 独断と偏見私の広島弁講座(ほうくり=ほっくり とも言います) ほうくるを通常用いるのは、投げる(ほおる)です。「そこのボ〜ルを、ほうくってくれえや。」 投げると用いる場合は、いつもここへゴミを投ぎゃ〜がる。(捨てる・置く) 「暑くて布団からあがいて、ほうくり出とった」は、あがいて布団から放り出ていたです。 「ほうくり捨てる」「とり捨てる」は、放り捨てる。「ほうくり投げる」は、遠くに投げる 放り捨てる意味になります。 そこらに、ほおくっとってやと柔らかく言うと、置いて下さいの意味になります。 「竿をほうくっとったら釣りゃあせん」の「ほうくって」は、ほうりっぱなし(ほったらかし) の意味になります。説明するといたしい(難しい)ですが、広島県人じゃったら、自然に喋ります。 雨具をづり上げ安心していても、知らぬ間にづって(下がって)います。 づら(下がら)ないと餌を付けようと屈んだ瞬間、バリッと破れ、破れを覆う事も 出来ず雨水が下着をよぼって(伝わって滴る)びしょ濡れになり、股を拡げて 歩いた事があります。「ビチョビチョじゃあ。気持ち悪いの〜・・」 「太りすぎじゃあ、ちいたあ痩せえや」の声も有りますが・・ 現在は、当時から13kg痩せています。 |
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何か、おかしいのお! | ||||
本虫が余り、冷蔵庫に入れて保存しました。 朝、冷蔵庫を開けて妻が言いました。「あなた。これ何!」 「本虫じゃ〜」と答えると、「食べ物の上に置いては駄目じゃないの」 「ビニールで包んでるから、ええじゃないか」 「やめてよ〜。あなたの言い方だと、布巾も雑巾も同じじゃないの!」 広島出身の女性なら、 「布巾も雑巾もいっしょくたねえ(一緒・ごちゃまぜ・ごっちゃ)、うちゃあ(私は) きしゃなあけえ(汚いから)、もてんけえ(我慢できない)」 結局、本虫は冷蔵庫から出され、毎日が釣りの大西さんに使って頂きました。 本虫を食べた魚を、美味しいと言って食べるのに、本虫だけだと気持ちが悪いのが 不思議です。 |
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エピソード食べ物編 | ||||